甘くて優しい青春恋物語 ~文化祭はちょっぴりハプニングと甘すぎな溺愛の予感~

「分かってるじゃん。そりゃ気合くらい入るよ。」

 理仁と待ち合わせ場所で合流してから、一緒に向かう。

 今年もやっぱり暑いけど、去年ほどじゃない気がした。

 去年は半袖でもきつかったくらいだし、今年はまだ過ごしやすい。

「そういや、小森んとこ何するか聞いてんのか?」

「いや。はーちゃん、頑なに隠そうとしたんだよね。だから分かんない。」

「は? 颯斗大好きな小森が隠し事したってか……何か言いづらいもんとかするんかな。」

「言いづらいの? 例えば?」

「……メイド喫茶で接客、みたいな。」

 ……――そっか、その可能性があるのか。

 はーちゃんは恥ずかしがり屋だから、もしそうだったらはーちゃんの気持ちも分かる。

 だけどはーちゃんが接客をするとは思わないんだよね……そういうの苦手だって前に聞いた事あるし。

 まぁでも、自分の目で確かめたほうが早い。はーちゃんが何をしてようが、僕には行く義務がある。

「おーおー、今年も派手だなー。」

「何でここは文化祭にここまで力入れてるんだろうね。」