甘くて優しい青春恋物語 ~文化祭はちょっぴりハプニングと甘すぎな溺愛の予感~

 そして、待ちに待って待ちすぎた文化祭当日。

 僕は朝からどんな服を着ていこうかと迷って、苦戦していた。

「カジュアル系か、ストリート系か……んー、どっちにしよ。」

 ファッションには元々興味があった為、どうしても悩んでしまう。

 彼女に久しぶりに会うとなったら、余計に。

 けれどいつまでも悩むのもよくないと分かっているから、自分の直感を信じる事にした。

 普段は着ないような、少しフォーマル系のファッション。

 まだ暑いから重たいものにはせず、それでもフォーマルさが残るように。

 ヘアも気が済むまで櫛で梳いたり、ワックスをつけたり。

 はーちゃんに会った時恥ずかしくない自分でいる為に、気合を入れて準備をした。

「よし、行ってきます。」

 出る準備が整い、玄関扉に手をかける。

 そして小さく笑みを零しながら、誰もいない部屋にそう伝えてから鍵を閉めた。

「おせーよ、お前。」

「ごめんって理仁。ついつい準備に拘っちゃってさ……許して?」

「……わーってるよ。どうせ小森と久しぶりに会えるから、気合入ってんだろ。」