……でも、今会えないのが寂しい。

 はーちゃんの誕生日も近いからバイトも増やしてお金貯めてるし、単位は絶対落とせないから勉強も手を抜けない。

 そうするとはーちゃんと電話する時間も滅多に取れなくなって、心の中に穴が開いているような感覚になる。

 どれもやらなきゃいけない事だから、尚更辛い。

 だけど時々電話をするだけで僕にとっては多大な癒しになっているから、暴走しかけない内はまだ大丈夫。

 それにもうすぐ、会えるんだし。

 僕が去年まで通っていた高校の文化祭は珍しい事に9月に開催される。

 夏休みが過ぎればいろいろと落ち着けるだろうと踏んでいるから、文化祭の日が楽しみで仕方ない。

 多分はーちゃんを次に抱きしめちゃったら、なかなか離せないだろうとは思う。

『出し物……な、内緒っ。』

 ……そういえば、どうしてはーちゃんはああやって言ったんだろう。

 はーちゃんは隠し事をしたがらない。その理由も、僕に隠し事をしたくないって事らしい。

 それを聞いた時、何でここまで可愛いんだろうって悶えた。