理仁の感性は僕に合わないようで、度々噛み合わない事がある。

 ……まぁ、多少楽しんじゃってるけど。

 理仁と居るのは居心地がいい。合わないのにそう思えるのは、多分相性がいいからだろう。

 もちろん、理仁と居る事でちょっとはストレスも解消されるのはされる……けど。

「はぁ……やっぱりはーちゃんに会いたい……。」

「そんなに会いたいなら行けばいいだろ。」

「それができないから言ってるんじゃん。文化祭ももうすぐだから忙しいだろうし、ゆっくり休みたいかもしれないしさ。」

「言い訳くさいな。」

「仕方ないでしょ。好きな子に長い事会えないと恥ずかしいんだから。」

「……俺その感覚分かんねーわ。」

 そうだろうね、理仁は彼女ちゃんとマンションの部屋隣同士だもんね。

 それが僕にとっては凄く、羨ましい。

 だって2、3歩進めば会える距離だよ? そんなの羨ましすぎる。

 かといって、わがままは言えない。

 はーちゃんは高校卒業したら一人暮らししてみたいって言ってたし、その時まで待てばいいだけの話。