「葉月、着れたー?」

「も、もうちょっとだから待って……!」

「やっぱり着にくい? チャイナ服って。」

「普段から着ないからね……もう少しで、着れそうなんだけど。」

 夏休みも終わりに差し掛かり、文化祭の準備も仕上げの工程に入ったタイミング。

 私含め接客担当は、給仕服のチャイナ服を着て演習をする事になった。

 更衣室の前で茉優ちゃんは声をかけてくれるも、なかなか難しい。

 私が着るチャイナ服は薄い桃色ベースで、金色の刺繍が所々に散りばめられているもの。

 それで、着れたはいいものの……。

「ま、茉優ちゃん……。」

「どうしたの葉月? 何かあった?」

「あのね……服の丈が、短いんだけど……。」

 鏡で確認してみたらよく分かる。このチャイナ服はスカート丈が凄く短く、肌の露出が多い。

 こんなのだったら、当日はタイツ履いてこよう……流石に生足はダメな気がする。

 それでも元が短いから、訴えてみる……も。

「どんなのか見たいから、ちょっと開けてみてもいい?」

「あ……い、良いけど……。」