《教えてくれないの?》

「お、教えないっ……! 当日まで内緒……!」

《へぇ……それじゃ、期待しとくけどいいの?》

「き、期待……い、いいよ! 期待してて!」

 これはきっと、もう後には引けない。

 はやくんには申し訳ないけど、私にはそう言うしかできないんだ。

《分かった。はーちゃんがそこまで言うって事は、よっぽど期待できるんだろうね。楽しみにしてるよ。》

「……う、うん。」

 でも、あんまり詮索されなくて良かった。

 はやくんのプライバシーを守ってくれるところも、大好きで仕方ない。

 やっぱり恋って、偉大だ。

 付き合う前もかっこよくて憧れだったけど、今もかっこよくて大好きでいつまでも一緒に居たいって思う。

《はーちゃん? どうしたの、黙っちゃって。》

「ううん、はやくんのこと大好きだなぁって思ってただけっ。」

 はやくんに隠し事をしてしまったから、今の気持ちくらいはっきり伝えよう。

 そう思ってそのまま、飾らずに口に出す。

 するとはやくんは、電話の2コールくらい置いたところで。