甘くて優しい青春恋物語 ~文化祭はちょっぴりハプニングと甘すぎな溺愛の予感~

 その夜、私ははやくんと通話していた。

 この時間が一番と言っていいくらい好きで、落ち着ける。

《そういえばこの前聞き忘れてたけど、もうすぐで文化祭だよね?》

「うん、そうだよ。だから今、すっごく忙しくって。」

《うちの学校って毎年出し物凝ってるもんね……はーちゃんのクラスは何するの?》

 ……ぎくり、と漫画さながらの効果音が聞こえた気がする。

 分かっていたはずだ。文化祭の話になれば、出し物も自然と話さなければならなくなるって。

 はやくんには嘘を吐きたくないし、隠し事もしたくない。

 はやくんには全部言いたいし、全部聞いてほしい。

 いつもはそんな精神でいる、けど――……。

 流石に今回は、言えない……。

 裏方のままだったらすっと言い出せたんだろうけど、接客になってしまったから余計に言いにくい。

 恥ずかしいし、こういうのはなかなか言えないものだ。

 正直、言葉を濁すのは良くないって知ってるけど……今回ばかりは、濁させてほしい。

「出し物……な、内緒っ。」