甘くて優しい青春恋物語 ~文化祭はちょっぴりハプニングと甘すぎな溺愛の予感~

 そんな微笑ましい、ふわふわした雰囲気に包まれていた時だった。

「あのね、葉月ちゃんに練習提案したのはね……実は、葉月ちゃんと恋のお話したかったから、なんだ。」

「あっ、教えるって言ってたのにすっかり忘れちゃってた……。」

 本当は昨日恋のお話をする予定だったのに、山本さんのことで頭がいっぱいだったから抜け落ちていた。

 正直な気持ちを伝えてみると、知絵ちゃんは乾いた笑みで首を左右に振った。

「仕方ないよ。山本さんのこともあったし、葉月ちゃんそれどころじゃないもんね。」

 落ち着いた口調で、悟ったように言う知絵ちゃん。

 けどその瞳の中には、諦められないという気持ちが見えた気がした。

「でも……あたし、本気で上嶋先輩と付き合いたいって思ってるの……。頼れるのって、あたしからしたら葉月ちゃんしかいなくってさ……。」

 消えかけのような声色でそう言われて、ぐっと息が詰まる。

 知絵ちゃんにはいっぱい、頼りになる人が居るよ。

 とは、言えなかった。

 知絵ちゃんの様子から、知絵ちゃんはどの言葉も本気らしく熱量が凄い。