はやくんは今大学生で、一人暮らしをしている。

 だから会いに行こうと思えば会いに行けるんだけど……なんせ、毎日忙しいらしい。

 大学もそうだし、バイトもしているし、勉強もハードなものをしているし。

 私も今年は時間が取れそうにないから、なかなか会えずにいたんだ。

「私もね……寂しいから、早く会いたい。」

 ちょっと弱音のように零す。

 小さかったから聞こえたかなと心配になったけど、直後に唸るような声が聞こえてきた。

《……あー、ほんと可愛いのやめて。もっと会いたくなってきちゃうじゃん。》

「か、わいくなんて……っ、う~……。」

《顔、今真っ赤でしょ?》

「……わ、分かってるならわざわざ言わないでほしい、です。」

《あはは、はーちゃんが可愛くてついね。ごめんね、悪気はなかったんだ。》

 それは……分かってるけど、絶対意地悪してきてるっ。

 はやくんは今みたいにたまに意地悪になって、私の反応を見て楽しんでいる。

 でも私も満更でもないから、あんまり文句も言えずにいた。