ちなみに、はやくんは私のことを“はーちゃん”と呼んでくれる。

 今だってメールにそう書いてくれている。

《はーちゃん、久しぶりに電話していい?》

《うん! いいよ!》

 はやくんは律儀で、いつも電話をする前にはメールで聞いてくる。

 私は気にしなくていいと言ったんだけど、もし都合が悪かったらダメだからという理由らしい。

 そういうところも、大好きなんだけどね……。

 そう思っている間にプルルルっとかかってきて、ワンコールの後に出た。

「はやくんっ、もしもし!」

《もしもし、はーちゃん。相変わらず元気で安心したよ。》

「はやくんも元気そうで良かったよ!」

《ふふ、僕はいつでも元気だよ。そうじゃなきゃ、はーちゃん心配しちゃうでしょ?》

「当たり前だよ! はやくんには元気でいてほしいもんっ。」

《……はぁ、はーちゃんに早く会いたいよ。声聞くだけじゃ、もう限界。》

 スマホ越しに聞こえたため息に、どれほど想ってくれているかが分かって頬が緩む。

 私だって……会いたい。ずっとはやくんに会えてないんだから、尚更だよ。