勝手に思い浮かべながら、ふふっと笑みを零す。

 けどそんな私とは裏腹に、知絵ちゃんは何やら悩ましい表情になっていた。

 ん? 何か心配事かな?

 直感的にそう思って、とりあえず尋ねてみる。

「知絵ちゃん、何か悩み事?」

「……まぁ、悩みっちゃ悩みかなぁ。」

 返ってきたものは曖昧な言葉で、余計に頭を悩ませてしまった。

 だって、知絵ちゃんが言葉を濁すなんて珍しい。相当な事を思ってるはず。

 でも私の頭じゃ知絵ちゃんの悩んでいる事は分からないままで、うーんと唸る。

 ……その時、意を決したようにまっすぐな言葉が聞こえた。

 そして、おもむろにぎゅっと両手を握られた。

 ふぇっ?

 どうして手を握られているのかがさっぱりな私は、狼狽える他ない。

 それでも知絵ちゃんはお構いなしと言うように、真剣な眼差しを向けてきていた。

「お願い葉月ちゃん! あたしにいろいろ、恋の事教えて?」