【SS】忘れていた彼との再会は、甘い溺愛の始まり



 目を細めて、じっと私を見つめる様子は、いつもの久我くんと違う。

 いつもが純白の羽根をまとっていそうな雰囲気(ふんいき)だとしたら、今は漆黒(しっこく)の羽根をまとっていそうな感じ。

 私はいきおいに押されて、「は、はい」と答えていた。




「かず、くん…」


「うん。なぁに?」




 にこっと、キラキラしたいつもの笑顔に戻る。

 好きな人の新たな一面を見てしまった私は、1人、ドキドキしていた。




「あ、あの…本当に私のこと、好き、なの…?」


「うん。大好き」


「人ちがいじゃなく…?」


「僕が由香ちゃんを見まちがえるはずないよ」




 かずくんは背中を伸ばしながら、私の手を自分のほおにそえる。

 目をつぶったかずくんの温もりが手のひらに伝わってきて、胸がきゅう、とした。