【SS】忘れていた彼との再会は、甘い溺愛の始まり



「手紙に書いてある名前を見て、もしかしてって思ったんだけど…屋上に来て、びっくりしたよ。大きくなっても、すぐに由香ちゃんだってわかった。おなじ学校だったんだね」


「そう言うわりには、あんまりおどろいた顔をしてなかったような…」




 にこっと瞳を細めて笑う顔にドキドキしながら、小さな声でツッコむ。




「あぁ、僕、ポーカーフェイスってよく言われるから」


「き、聞こえてましたか!?」


「それはこの距離にいたらね。というか由香ちゃん、敬語じゃなくていいよ。昔みたいにかずくんって呼んで」




 久我くんは、そう言いながら私の右手を取って、ちゅ、と手の甲にキスをした。




「なっ!?く、く、久我くん…っ!?」


「かずくん、だよ?」