【SS】忘れていた彼との再会は、甘い溺愛の始まり



 ぱちぱちと まばたきをして、久我くんはどこかふしぎそうな様子。


 もしかして私、変なこと言ってる…!?

 えっと、えぇっと…!




「そ、そのっ、ずっと見てました!初対面でこんなことを言われても戸惑(とまど)うかもしれないけど、す、す、好きです!」




 ぎゅっと目をつぶって、いきおい任せに告白する。

 生温(なまぬる)い風がほおをなでて、髪がうしろになびいた。


 どっく、どっく、と体をゆらすほど大きな鼓動を聞く無言の時間は、とても長く感じられる。




「…うれしいな。由香ちゃんは、何回でも僕に恋してくれるんだ」


「え…?」


「運命って、こういうことを言うのかもね。僕も由香ちゃんが好きだよ。大好き」


「な、な、なっ!?」