【SS】忘れていた彼との再会は、甘い溺愛の始まり



「…私も、昔と今で、気持ちは変わってないって言えるよ。でも…来年っていうのは、ちょっと心の準備が足りないかも」


「そっか…」


「うん…だから、もっと大人になったら、結婚、しよう?」




 おずおずと、上目遣いにかずくんの目を見つめると、その顔はパァッと喜色(きしょく)に染まった。




「うん。わかった、由香ちゃんのお願いなら、あと数年待つよ」


「あ、ありがとう、かずくん。あの…好きだよ。私、“かずくん”がすごく好き」


「僕も由香ちゃんが好きだよ。昔からずっと、僕の特別な女の子は由香ちゃんだけだ」




 私をまっすぐに見つめるかずくんの瞳を見つめ返して、ほおを緩める。


 話したこともなかった想い人に告白して、OKをもらえたと思ったら、幼なじみだったことを思い出して、さらには結婚の約束まで…。

 濃い昼休みだなぁと思っていると、お腹がくぅ、と鳴った。