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「きっと、みんなストレスが溜まってたんだね。それで発散場所が見つかって一斉に攻撃しはじめた」


放課後になり、私と詩子はまたふたりで遊びに出ていた。
父親がいる家に戻るのは嫌だったし、ポイントはまだまだ残っているから遊びたかった。


「それわかるなぁ。みんな玲香相手から攻撃しても大丈夫だって雰囲気になってたよね」


詩子の言葉に私は頷いた。
最初はとりまきの多い玲香の方が立場が強いと思っていたけれど、今日の出来事で完全に逆転してしまった。
今後ふたりの関係がどうなっていくのか、眺めるのは楽しみだ。


「でもさぁ、今日も遊んで大丈夫なの? お父さんから色々言われるんでしょう?」


不意に現実に戻るようなことを言われて、忘れていた心の中のヘドロが蘇ってきてしまった。

私は顔をしかめて「勉強はしてるし、文句言われるようなことはしてないし」と、答える。
私の家のことは詩子にも説明してある。

特に父親との関係が悪くてうんざりしていることも。