腹黒王子の甘い寵愛。

とりあえず首を傾げると……。


「要するに、俺がいいか朔がいいか」

「っ、えっ?」


秋山さんいいか、朔くんがいいかっ……?

そ、そんなの、わかるわけないよっ……。


「い、いやっ……その、あの、えっと……私、どっちも好きなわけじゃないんだよ?」


そう言うと、朔くんがショックそうな顔をする。

なんだか申し訳ないけれど……でも、これだけは言わせて欲しい。


「だけど、朔くんはなんだか特別な存在だよ」

「っ……!瑠奈……」


信じられないと言わんばかりに、少し口角上げて喜ぶ朔くん。

なんだか、可愛いっ……!


「で、でもこれはきっとそういう、結婚したいとかのものじゃないと思うから……とりあえず、どちらもお断りします」

「……わかった。じゃあいつか、俺のこと好きになってくれたら婚約してくれる?」


ふっと微笑みながら、視線を離してくれずに言われてしまう。


「なっ、そ、それは、そうですね……」


絶対にないけどっ!