腹黒王子の甘い寵愛。

車の中に閉じ込められて、そのまま出発しそうになってしまうと……。



「わっ!」


秋山さんが強引に乗り込んできて、距離が近づいた。

それを見た朔くんがまた不満そうに私を抱きしめて、秋山さんを睨みつけた。


「今からデート行く予定なんだけど」

「そりゃ悪かったな、生憎こっちもデートだったんだよ」


ま、またこのバチバチした雰囲気……!!

いやぁ……誰か助けて……。


「カフェ行くんだよな?カップル限定カフェがあるところ」

「えっ」


そ、そんなこと言ってない!!

確かにカフェに行くとは行ったけど……!!


必死に訴えようと思って、朔くんの方を見るとにっこにこの笑顔で、ガチギレをしているように見えた。


「さ、朔くんあの、これは違くて……!!」

「あはは、大丈夫。ちょうど僕もカップル限定の高級カフェ行こうと思ってたから」

「そ、そそっ……そうなんだぁ……」


全然、大丈夫じゃないと思うんですけど……!!