腹黒王子の甘い寵愛。

「瑠奈は今僕が独占してるから、無理」

「……わかってんのか?俺と桜井は婚約者なんだぞ?」

「ああわかってる。でもそれも一瞬の話だろ?ならいいじゃないか」


バチバチと視線を交わしてドス黒いオーラを出す2人に、肩身が狭くなっていく。


「あ、あの……」

「よくないだろ」

「お前こそいらない。出ていけ」

「そういうわけにはいかない。桜井、困ってるからな」


じっと見つめられる。

た、確かに困ってる。


だけど、不思議なのは……こうして、朔くんに抱きしめられていたとしても、全然嫌じゃないことだ。

本当、朔くんって私にとってなに?友達ってなんなんだろう……。