腹黒王子の甘い寵愛。

「さ、朔くん……？いつまで撫でてるの……？」

「ああ、ごめんごめん」


つい瑠奈が可愛い表情をするから、もっと見ていたくて……。


「そ、そういえば桐谷さんは？」

「ああ、怪我してたから運んでもらったんだよ」

「そっか……よかった」


ふぅ……と安心したような顔をする瑠奈。


ここでまた僕は、醜い嫉妬を生み出す。


本当にアイツは許せない……瑠奈にぶつかって、嫌がるようなことをしておいて心配してもらえるだなんて前世何をしていたんだ？


よっぽどのことをしてなかったらこんな天使と喋れもしないだろ。


「ん……？っていうか、私おサボりしちゃってたんだけど……朔くんに、生徒会メンバーさん……い、いいの！？こんなにサボって！」


あわわわと慌て出す瑠奈。


「うん、大丈夫だよ。生徒会メンバーは特別にやらなきゃいけない仕事があっただけ。」

「そ、そっか」

「ふふっ、遅刻したくないって言ってたのにおサボりしちゃうんだね」

「え、えへへ……相談したいことがあったからねぇ……」

「……相談したいこと？」


瑠奈の華奢な肩をそっと掴む。


「それって何？何かあった？」


ずっと見守ってあげてる。今日女子に絡まれた時には友達が守ってくれてたよね？

でもやっぱり傷つくか。アイツら全員、社会的に抹殺してやらないと——


「は、恥ずかしくて言えない！」

「っ！！」