腹黒王子の甘い寵愛。

っていうか、この通り道、やっぱり特殊だったんだ……!!

人と全然会わずにいるから、とても不思議に思っていた。


「さすが冷徹王子だな」

「うるさい。行こう、瑠奈」

「う、うん……」

「桜井瑠奈、覚悟しておけよ」

「……え?」


すれ違う際に、そう言われた。

覚悟……?えっ?ま、まさかぶつかったことに対しての……?

怖くなって朔くんの方を向くと、「大丈夫だよ。僕が守ってあげるからね」と優しく微笑まれた。


朔くんがそう言ってくれるなら、なんだか安心だ。

ふぅと少し安堵して、朔くんと共に教室へと向かった。


そして……無事遅刻である。


普段なら先生にめちゃくちゃガミガミ怒られるはずなのに……

今日は、というか……普段私が遅刻はしないからかな……?何も言われなかった……。


いつも遅刻して怒られている生徒のこと見ていたから、とてもビビってたのに……。


どうしてだろう?


考えても考えても、わからなくてラッキーぐらいに思いながら授業を受け始めた。