「もう寝る?」

「うんっ、あとちょっとしたら」

「そっか。……ねぇ、瑠奈?」

「ん?どうしたの?」


ドクリドクリと何故だか胸騒ぎがする。


朔くんの一途な瞳に囚われて、目を逸らすことができない。


「……目、瞑って?」

「へっ?う、うん……?」


言われた通りに素直に目を瞑った。


すると、ふふっと朔くんの笑い声がする。

それはもう、不敵な笑みだ。


そして———


ちゅっと、甘いリップ音が響いた。


私の唇には、柔らかい感触だけが残る。


びっくりして目を見開けば、やっぱり不敵に笑っている朔くんの姿が。


「瑠奈、好きだよ」

「ふぇっ……え、ええ!?」


あまりにも驚いてたまらない私は、慌てて立ち上がって速攻自分の個室まで逃げた。

ガチャリと鍵を閉めて、ドアの前にしゃがみ込む。


「な、何があったの……?」


甘い感触の残る唇に触れて、変な気持ちが暴れだす。


「朔くんと私は、友達……だよね?」