雨あしも強くなってきた…。
しばらく止む気配はなさそうかも。
「じゃあこのみちゃん。ここで待っててもらえる?ほんとありがとう」
「え…」
聞いておいてからの完結が早い。
これが結多くんのトーク術だということは、ぼちぼち。
「わ、私……?」
「逆に結多をこの山奥にひとりにしていく?泣くよ?そろそろ泣くよ??」
確かにそう言われちゃうと…。
だれか1人はついててあげないと可哀想だ。
荒井さんは学級委員長だし、倉田くんは絶対だめ、野口くんは……なぜか結多くんが断るというワガママ発動。
「だいじょーぶ、戻った頃には綺麗な俺になってるから。ってことで、頼むわ野口とぼっちと委員長。俺たちは落ち着いてから向かいまーす」
「ちょっと水篠くん!班の全員が揃わないと意味が───」
「いだだだっ、あ、やべえ漏れるわこれ。ごめん漏れる、え、いいの?ほんといいの?委員長さん、……いーの?」
「…………」



