「このみちゃん…!まって!話したいことあんの…!!」
「おっ、怒らせちゃったなら謝るけど…っ、私もいろいろ怖いから……!」
「えっ、怖がらせてたの…!?俺このみちゃんを怖がらせてた!?それは確かに許せねーわ俺が俺にっ!!
つーか俺は怒ってなんかねえしむしろ謝り倒したいくらいだしっ、なにが怖かったのこのみちゃん……!」
────自分が、傷つくのが。
心のなか、そんな私の言葉が聞こえた気がして。
ハッとして、なぜか止まってしまった足。
「うわっ…とお!?あっぶねえ!!」
急ブレーキをかけた結多くんは、力ずくでも私にぶつかることは避けた。
ごめんね、結多くん。
小さくつぶやくと、私の道を塞ぐかのごとく回り込んでくる。
「俺っ、なにかした!?ぜってえしたよね!?確かに全教科の教科書を故意的に忘れてきたのは認めるけどっ、
でもそこまで迷惑って空気感ではなかった気がすんだよマジで…!!」



