「“私を食べてください”だとか“私を丸飲みしてください”だとか。
そんなん言われた俺の気持ちはたぶん、このみちゃんに分かんねーもん」
「……ちがう」
「え?」
「私…、そうは言ってない…」
なんかね、すごーく都合がいいように解釈されてます。
どが付くほど、反対のこと言ってる…。
「あは、ちがった?まあどっちにしろどんなに俺がムラッ……キュンときたか知らないでしょ」
「う、うん。私は結多くんじゃないから…わからないよ」
「……このわりと噛み合わねえ会話、ほんとクセになんだよなあ。ごめん、もう撫でますごめんよ」
「わ、」
気づけば私のあたま、撫でられていた。
最初はぎこちなく触れるか触れないかだったけれど、「ええいもう触れてしまえ」と、実際にも聞こえて。
なでなでなでと、それはもう撫でられるしかない私。



