私のこと愛しすぎだよ、結多くん。





弱者が可愛く見えるタイプ、とか。
同情心の正当化、とか。


結多くんの屈託のない太陽みたいな優しさをそんなふうには言わないでほしい。


同情とか、見返りとか、偽善とか、それは彼からいちばん遠いもの。

自分がしたいからする、それだけ。


それが私が憧れて惹かれた水篠 結多くんだ。



「まえも…、しゃべらないほうがいいとか、残念とか言ってたけど……、そんなことないよ」



明日からどうなるか、わからない。
クラス内に私の悪口が広まるかもしれない。


今までの私なら、そうなるのが怖いから、賑やかな女の子だけは敵に回しちゃだめって、安全策をいつだって選んでいた。


でもいつだって言えなかった後悔が心には残ってたよね。

結多くんが笑顔を向けてくれるたびに、“私は逃げてばかりでごめんね”って謝ってた。