さっき、ほんとうは。
私のことを言われてるんじゃないかって、怖かった。
私は昔から考えすぎるところがあるから、いつも自分が言われてるんじゃないかって思っちゃう。
それくらい自己肯定感というものが普通より低くて、自分に自信もなくて。
「結多くんみたいになりたいな…」
あんなふうに、誰も傷つけることなく自分の気持ちを言えるひと。
目の前で泣いている誰かがいたら、迷わず手を差し出すような。
その笑顔ひとつで、ぜんぶを救ってしまえるようなひと。
「困る。それは困りますよ俺が」
無意識に言っちゃってたみたい。
返事をされてから、どうしようって考える。
「俺みたいに?こんなやべえ奴よ?こんなの世の中に2人もいたら大変なことになるぜ地球が三角形になるぜ。
結多と結多のラブストーリーなんか誰が見てえのかなどこに需要あんのかな」



