すごいな……と思った。
単純にあれはもう彼の才能なんだと。
「───こーのみちゃん」
「っ、」
女の子たちが出ていったドアとは反対側。
身体を隠すように伺っていると、ぬわっと影が覗き込んできた。
「へーき?」
「へ、へーき……だよ」
「そ?…よかった」
安全は確保された、と。
太陽みたいな笑顔が私を誘い入れてくれる。
「このみちゃん、たしか委員会活動だっけ?もう終わったの?」
「う、うん。結多くんは…」
「俺はサッカー部の友達待っててやろうかなーって思ってたんだけど、もういいかなって捨てました」
「す、捨てた…?」
「このみちゃんと話してえもん。あわよくばを活用してそのまま一緒に帰らせていただこうかと」
なぜか着席してしまった私。
目線を合わせるようにしゃがみかけて、にひっと笑ってくる結多くん。
「……ダメだよ、捨てちゃ。お友達は大切にしないと」
「…ふはっ。はあい」



