見えなくなって、どうしようかなってポツンと数秒間佇んでから。
帰ろうと踵を上げて、住宅街に入ってから少し歩いた場所にある、またひとつの公園を目指した。
「……さすがにこれは見せられないよ」
唐揚げ、やっぱり黒い…。
パカッと開けた瞬間にそんなのが入ってたら、みんなびっくりしてた。
それで、笑われちゃってた。
そういう意味では私のほうも写真を撮られてたかもだけれど。
「っ……」
がんばれ、がんばれ、このみ。
仕方ないよ。仕方ないの。
穂乃花ちゃんを恨むことだけは間違ってる。
「……あ…、そっか、」
ポケットに手を突っ込んでから、気づく。
制服のポケットに入れたままだ……。
私だけのお守り。
「…次からは私服のときも持ってこなくちゃ」
穂乃花ちゃんたくさん笑ってた。
隣クラスの女の子とも仲良くなってた。
お友達が笑顔になったんだから、楽しかったって言ってたんだから、今日の出来事は良かったの。
よかったんだよ、このみ。



