「ふたりともー、水分だけはちゃんと取るんだよー?ここにジュースあるからね。甘いの、炭酸、お茶、好きなのどーぞ?」
「ありがとう結多くんっ」
「ありがとう水篠くん…!」
「うん、もうね、俺のためにもパパと呼んでやってくれる?そこは」
またよく分からないことを言っているから、穂乃花ちゃんとクスクス顔を見合わせて笑いあう。
やっぱり結多くんは結多くんだ。
この表現方法がいちばん、しっくりくる。
結多くんがいたから倍の楽しさが生まれたんだって、きっと穂乃花ちゃんも私と同じように思っているはず。
そのクーラーボックスから飲み物を取り出す仕草を目にしただけで、私の心臓は跳ねた。
「あれっ?結多ーーー?」
「うそっ!結多も来てたのーー?」
「なになにっ、超ラッキーじゃん!!」
そんな私と穂乃花ちゃんの世界、終了の合図は突如やってきた。
まだお弁当食べてないよ。
まだまだ楽しみはこれからだよ。



