私のこと愛しすぎだよ、結多くん。





占領、というよりは。

何者かから守っているみたいな気迫と威厳を感じる。


子供が来たら譲る気満々で私たちは最初から穴場スポットを選んだ。


が、たぶん1人でも子供が駆け寄って来ようものならば、彼は譲らないどころか追い返すつもりなんじゃないかって。



「もしかして水篠くんも今日、お友達と約束してたのかな…?」


「…………」



そんな偶然、あるかな…。


だって結多くんがつるむ子たちって、ブランコなんか気にもしないようなイマドキばかりだから。


それに、一昨日の電話。

私がこの公園に来ること、お弁当を持ってピクニックをすること、ブランコをすること。


ぜんぶぜんぶ知っている───結多くんである。



「ど、どうする…?このみちゃん…」


「…声、かけてみるね」


「うん…」



初めて見たかもしれない、私服姿の結多くん。

どうしてこんな穴場の公園でひとりブランコを守っているんだろうと不思議になるくらい、あなたは街へ出たほうが似合っているよ。