「……どうしよう」
「……どうしよう」
夏日にしては朝から心地いい風が吹いた日、雲が所々に広がっては日差しもそこまで強くなく、降水確率は10%。
日差しが強かった場合は東屋で食べて、大丈夫そうならビニールシートの上で食べよう。
晴れてよかったね、ちょうどいいピクニック日和だね。
なんて話しながら公園に入って、まず最初のお目当てであるブランコが見えてきたときだった。
「「ど、どうしよう……」」
私と穂乃花ちゃん、立ち止まる。
目線の先にはブランコがあるというのに、足取りは進められそうになく。
おなじ言葉を揃えて、顔を見合わせて。
今日はやめとく…?ちがう公園にする…?と、どっちが言い出すか選手権がこっそり始まりそうだった。
のも────、
「あ、あれ……、水篠くん、だよね…?」
「……うん」
4つあるブランコをすべて占領するみたく、真ん中にどっかり座っている男の子が1名。



