私のこと愛しすぎだよ、結多くん。





些細なことが発端だった。


夏休み前の帰宅時、穂乃花ちゃんとたまたま寄った小さな公園にブランコがあって。

誰もいなかったから高校生ながらに2人してはしゃいでしまって。


またしたいね、というのがきっかけ。


夏休みだから少し大きな公園に行こう、遊具も大きなところ、だとしても穴場を選んで、お互いにお弁当を持っていこうね。

そんな予定を立てて、本番は明後日。



『あーーー……、すさまじいな控えめクラブ。この世界守るためならなんだってできる気がするわ俺…』


「え…?」


『このみちゃん。俺にもついてるよ、きみ専用のブランコ』


「……はい?」



おれ、“にも”……?
にもって、なに……?

私専用って…?つ、ついてる……?

結多くん、ブランコはみんなで楽しむものだよ。