「ごめん、このみちゃん。俺のせいであんなこと聞かせて」
俺だってこんな性格だから、偏見を持たれることばかりだ。
だとしても天性のもので柔らかくする術を知っているし、俺自身そこまで気にするタイプじゃない。
だからこそ、ぼっち倉田の言葉は。
そのスキルを持ち合わせていない彼女を最終的には馬鹿にしているものにしか俺には聞こえなかった。
「だから、守るよ俺が。生憎まだ誰にも使ったことない剣だけど、このみちゃんのためにしっかり研(と)いでるから安心して。
研いでるってか、なんていうかこう…上下に擦る……そうそう、うん。このみちゃんと一緒に使うために大事にしてるのさ結多は」
という、決め台詞……は。
男が聞くと完全なる下ネタすぎて、さすがの俺でもヒヤッとした。
いや決め台詞どうこうじゃなくただのアウトだわびっくりだわ何言ってんすか我輩は。
もしこのみちゃんが起きてたらどーしてたんだ水篠 結多。
「…ぽ…け……、」
「え…?ボケ?あっは、なんかシンプルに悪口言われたんだけど興奮すんじゃん」



