私のこと愛しすぎだよ、結多くん。





────だからね、このみちゃん。


そんなことを言われたところで、結多に効果は皆無なわけですよ。


それよりすげえ良い匂いすんだけど、どうしよ。

まって……当たってね?
いやいや、当たってます……よね?

男には存在しねえ柔らかさ、当たって……、あ、嬉死にそう。


もっとくっついてくれていーんだよぜひお願いします。



「おろして、ゆいたくん。私……161センチもあるから…、へいき、だから」



学校行事、スタンプラリー、急に降ってきた雨、熱を出したこのみちゃん。

を、おぶる俺。


大変すばらしいシチュエーションのなか、このみちゃんの今にも泣きそうな声。



「蟻だけに光を注ぐなんて……周りのみんなが困っちゃう」



蟻、とか。
ふざけてんのかい君は。

クソかわいいじゃねえかよ俺は今日から蟻を愛すね。

ってより、蟻すら踏まない男になると誓ってやろう。