心優しい国王は王妃を堂々と愛したい

それから二人はいろんな話をした。
生まれてからこれまでのこと、
好きなものや嫌いなもの、
そして未来の話。
オーディンと話をしていると、
自然とフレイアの心は温かさで満たされていった。
オーディンの優しく落ち着いた声色は、
フレイアからあらゆる不安を取り除き、
安らぎを与えてくれる。
(あぁ、私はオーディン様に恋をしているんだわ。)
アスラウグにいた頃、
本棚にあった恋愛小説は何度も読んだ。
それらの本に登場したヒロインの気持ちを
あの頃はあまりよく理解できなかったが、
今では手に取るように分かる。

すっかり夜も更け、
薄れゆく意識の中で
「明日はきっと大丈夫だ。」と言うかのように
フレイアの髪を優しく撫でるオーディンを見つめながら
フレイアは眠りの世界へとおちて行った。