○文化祭当日
クレープ屋さんの準備も順調に進み、開店早々お客さんも多く集まった。
店内(教室)にあるイートインスペースは、今人気の韓国カフェ風に飾り付けて、フォトスポットもあり満席だ。
西村「ありがとうございました」
西村も忙しなく、店番をする。
西村「いらっしゃいませ」
メニュー表に視線を落とす西村。
「店員さんのおすすめはなんですか?」
聞き覚えのある声に顔を上げる。
西村「琥太郎」
八重歯をチラッと見せて笑う狐森がいた。
制服ではない。
薄い青のデニム、白地に茶色系のプリントTシャツ。そして、茶色のチェック柄のビーニー。
普段とは違う、彼の姿に少し緊張しつつ
西村「あー、えっと、クッキーアンドクリームですかね」
ぎこちない笑顔でそう言う西村。
狐森「じゃあ、バニラナッツで」
また、イタズラに笑う。
だから、西村も皮肉的に満面の笑みを狐森に向けた。
西村「バニラナッツ一つでかしこまりました。」
そして、作る係の人に伝言した。
西村「バニラナッツお願いします。」
・
西村「バニラナッツです。ありがとうございました。」
狐森「ありがとうございます。」
西村(そういえば、琥太郎のクラスってなんの出し物するんだろ?)