大袈裟なまでにころころと変わる豊かな表情は、俺にはとても真似できない。
正反対と言われることも多い連れだが、確かに俺とは真逆の性格をしていると思う。
なんにせよ、孤独というものと過ごしてきた俺にとって、連れは日々を賑やかしてくれる大事な存在だ。
「オイ、そこのイカれ頭。ちょっとツラぁ貸せや」
「って言ってる間に早速絡まれたし~。おいおい、俺の素敵ヘアーのどこがイカれてるって?」
いい意味でも、悪い意味でも。
「虹色にしてたら、それはイカれるだろうな」
「髪が、って? ハハ、そうなんだよな~。その猫預かっておくから、いいシャンプー贈ってくれねー?」
ニコニコしたまま段ボール箱を取り上げられて、両手が空く。
やれってことか。