「しかしなぁ、マルガレタよ。国教会の意向を無視するわけにもいかんのだ」

 マルガレタの父は娘の反発を理解しながらも、頼み込むように言った。

「いいえ、お父様。招集状には参堂も結婚も、最終的にどうするかは当事者に任せると書かれています! ならば行かなくても良いではありませんか!」

「といっても、これを拒めば今後我が家が国教会からどう遇されるか、想像の付かないお前ではあるまい。神託が告げられた以上、この結婚はもう決まったと言っても過言ではないんだよ」

「ッ……ではお父様は、私がどこぞの中年男の妻にさせられて、それで良いとお思いなのですか!?」