「……あっ、ヤバイ」



エレベーターがそろそろ一階に到着する。



それまでだらしなく座り込んでいたあたしは、スッと立ち上がり、ホテルマンの姿に戻った。




「いらっしゃいませ」




お客様とすれ違うたびに立ち止まり。

柔らかな笑顔をキープしたまま、ワントーン高い声で挨拶して一礼。



はぁー……。

ほんっとにカップルだらけだよっっ！