幼なじみと恋をするには


「はぁ~気持ちいい~」


 浴槽いっぱいに張った湯船に肩まで浸かりながら、私は盛大に声を上げる。今日は奮発して薄ピンク色に色付く、桜の香りの入浴剤を使った。この時間が一日の中で一番好きなんですわ。


 しかしリラックスタイムを過ごしながらも、考えることは結局柊のことばかりだった。


『ちゃんと考えてみてよ、俺のこと』


「柊、本気だったんだ…」


 いつから私のこと好きだったのかな。ずっと傍で想ってくれていたのに、柊の気持ち私全然気が付かなかった。


「………」


 私は柊のこと、どう思ってるんだろう。どう接したらいいんだろう。


 なんだか頭がぼーっとして、上手く考えられなくなってきた。長くお湯に浸かり過ぎて、のぼせてしまったのかもしれない。


 私は慌ててお風呂から上がると、そそくさと着替えを済ませ、水を求めてキッチンへと向かった。