「!?」
「好きだよ、桜」
そう耳元で囁かれ、真っ赤になっていた顔は、更にゆでだこの様に真っ赤になったことだろう。
「ずっと幼なじみだと思ってたのは桜だけで、俺はずっと桜のこと、女として好きだった」
いよいよ息が苦しくなってきた。忙しなく動く心臓に、身体が耐えられそうにない。
「桜は俺のこと、どう思ってる?」
どう、って…。
頭がくらくらし出した頃、やっと柊の身体が離れた。自分がどんな顔をしていたのか全く分からないが、柊は何故だか嬉しそうに私を見ていた。
「大丈夫か?」
「あ、え?うん、大丈夫なわけない…」
「好き、ってちゃんと伝えてないな、と思って今伝えたんだけど」
どこまでもマイペースな柊に、翻弄される日が来るとは思いもしなかった。
なにこれ現実?脳がびっくりしすぎて現実を受け入れようとしてくれない。今日一晩一緒に過ごさなきゃいけないなんて、私の心臓大丈夫か?



