っ、はぁっ……
大きく、呼吸をしながら走る。
ヤバい、遅刻しちゃうっ……!
だっ、と足を踏み出した瞬間、
——————————————————
『ぼくたちはこのおとでつながってるって、本気で思ってたんだ』
——————————————————
「———……奏心?」
⁑
「えー?幼馴染と再会したぁ?」
「……うん……」
こくり、とうなずく。
わたし・東屋 奏心は、ポツリと言葉をこぼした。
「再会、しちゃった、今朝……」
「好きになったとかぁ?」
覗き込まれても、そういうことは一切なかった。
「ないよ……」
「でも、幼馴染で恋愛とかキュンキュンじゃーんっ」
そういうもの……?
したことないし、想像だってしたことない。
初恋もいまだにまだ。