パトリシアは、連れてきている侍女たちと顔を見合わせて「クスリ」と笑った。

 レディは、可笑しいことでもこんなふうに控えめに笑うのね。

 いままでは、笑うことだってガマンしていた。とはいえ、チャーリーと出会ってからは豪快に笑っているけれど。

「侍女たちは、生家のレンフィールド侯爵家から連れてきているの」

 ある意味感心している間に、彼女はしみじみ言っていた。

「そんなに大切な侍女だったら、せめて身をていして守らないとね」

 わたしは、大切な侍女がいたどころかメイドにバカにされていた。だから、すこしだけパトリシアがうらやましい。

 とはいえ、いまはジャニスとカイラがいてくれているけれど。