「あなたと距離が近くなる度、親密度が増していくごとにイザベルに、というよりか謎の『あなたの愛する人』に嫉妬していたわ。不安だったし焦っていた。夜も眠れなかったほどよ」
「それは嘘だろう?」
「なんですって? ほんとうよ」
「毎夜、豪快なイビキがきこえてくる。しかも、『おやすみ』を言って扉を閉めたとほぼ同時に」
「ああ、嘘ってそこなの? って、イビキですって?」

「大聖母」がイビキ? いまは「大聖母」じゃないけれど。だけど、イビキなんて昨日や今日急にかきはじめるものじゃないわよね? ということは、「大聖母」時代からかいていたということなの?