会議を終えて家路を急ぐ、、、。 でも後ろを初枝たちが付いてきた。
「みんな揃ってどうしたんだい?」 「高木さんと一緒に居たいのよ。 一人じゃ不安だわ。」
分らんでもない。 今回のプロジェクトチームの意見書はかなり厳しい物になる。
取締役の連中は相当に恨み節を投げてくるだろう。 中には裏社会と繋がっているやつも居るから何をしてくるか分からない。
ここは一つ、連合を組むしかないようだ。 幸い、栄田は知人が警察官でその道に詳しいらしいからそっちを任せることにしようか。
河井や初枝はいざという時に動いてくれる弁護士を探し始めたようだし、こちらも防御を固めないとな、、、。

 家に入って居間に河井たちが落ち着くと尚子と初枝は相談して夕食の準備を始めた。
「学生時代みたいねえ。 何人かで集まって自炊しながら勉強してたっけ。」 「あたしも下宿で大変だったわよ。」
「バイトも必死にやったなあ。 毎晩居酒屋で働いてたのよ。 酔っ払いに絡まれて店長に何回も助けてもらったわ。」 「柳田さんがかい? 信じられないなあ。」
「あらあらどうして?」 「だってさあ、柳田さんって「食べたいなら食べてもいいわよ。 食べなさい。」ってタイプじゃないのか?」
栄田が初枝を冷やかす。 「食べるってどういうことよ?」
「スタイルもいいし、男好みだし、愛嬌も有るし、食べやすいと思うんだけどなあ。」 「だ、か、ら、食べるってどういう意味?」
「あらあら、奥さんなら毎晩やってるでしょうがね? あれだよ あれ。」 「もう! 栄田君ったら、、、。」
思い切り赤面する初枝を見て河井まで笑い転げる始末、、、。 「どうしようもないおっさんたちねえ。 やり込めてやるわ。」
「怖い怖い。 魔女を怒らせたら何をされるか分からんぞ。」 そう言って栄田は俺の背後に隠れてしまった。
「勝ったわね。」 不敵に笑う初枝は何処か色っぽく見えてしまう。
もしかして俺はmなのか? 何処からか鼾が聞こえる。
振り向くと栄田が高鼾をかいて眠り込んでいた。
「栄田さーん、ご飯よーーー。」 初枝が甘い声で誘惑する。
「え?」 起き上がった栄田は周りをキョロキョロしている。 「どうしたの?」
「なんか可愛い声が聞こえたから飛び起きたんだけど、、、。」 「私よ、わ、た、し。」
真面目な顔で初枝が自分を指差すものだから、またまたみんな揃って大爆笑である。 「なあんだ、、、。」
栄田は声の主が初枝だと分かると土砂降りに打たれた案山子みたいな顔でしょんぼりしてみせた。
「まあまあ、栄田さん 落ち込んじゃったわよ。 どうするの? 柳田さん。」 「そうねえ、、、寝かせとくわ。」
「おいおい、それは無いよ。 せめて一度だけでも可愛がってやったら?」 尚子まで真面目な顔で忠告する。
「ねえねえ、栄田さーん、おっぱいあげるわよーーーん。」 「あぐ、、、。」
初枝が本気でシャツを脱いだものだから栄田も焦りまくっている。 「ブラだけでいいよ。」
「えーーーー? 私のおっぱいじゃダメなの?」 「それはご主人様の物でしょうが、、、。」
尚子も必死なんだけど、周りのおっさんたちは涎を垂らしながら見ていた。 この変態目!

 7時を過ぎてやっと夕食も出来上がったが、栄田たちはベランダでビールを飲んでいた。 「食べないの?」
「食べるよ。 もうちょっと待ってくれ。」 「じゃあ、先に食べてるからね。」
「おー。」 あの二人は何を話しているのだろう?
気にはなるが、それよりも今夜もまたキャミを着込んでいる尚子のほうが気になってしょうがない。
「そろそろ私も欲求不満なのよねえ。」 「あらあら、尚子ちゃんもそうなの? 実はね、、、。」
初枝が尚子に耳打ちをしている。 「へえ、そうなんだ。」
「だからさあ、、、。」 そう言いながら二人で熱い視線を俺に向けてくる。
「無理よねえ。 3pなんて、、、。」 ボソッとこぼした尚子の一言に俺はドキッとした。
 やがて栄田たちも食卓に加わってあれやこれやと他愛も無い話を続けている。 それでも、、、。
夕食が終わってしばらくすると「遊んでくるよ。」と言って二人は出掛けて行った。 「何処に行ったんだろう?」
「さあねえ。 ソープじゃないのか?」 「何で分かるの? 高木さん。」
「夜に遊ぶって言ったらソープかピンクしか無いだろう。 でもピンクじゃ長時間は居られない。 となるとソープしか無いわけだ。」 「結局は女か。」
お茶を飲みながら初枝は寂しそうに呟いた。 それがまた妙に色っぽく見えてしまう。
「ねえ、私たちもやりましょうよ。」 言うが早いか、尚子は飛び込んできた。
最初は躊躇していた初枝だが、尚子が脱がされていくのを見ているうちに初枝も我慢できなくなって飛び込んできた。
危ない夜だなあ。 二人の女性を相手するなんて、、、。 しかも一人は奥さんだぞ。
分かってはいるが、このところの会議やら何やらでストレスが溜まりたい放題に溜まっていた。 俺も尚子も初枝も我を忘れて無我夢中だった。
 俺が果てた後、初枝は尚子に絡み着いた。 女同士で絡み合う姿を俺は初めて見せられた気がする。
康子とはそんなことは無かったな。 あいつだって満足していたとは思えないのに、、、。
まあ、今は状況が状況だ。 憂さ晴らしをしておかないと身が持たなくなるな。

 俺たちが汗を流して風呂に入った頃、栄田たちがお土産を買って帰ってきた。 「ただいまーーーー。」
「お元気ねえ。 河井さん。」 「高木君にお土産を買ってきたぞ。」
「え? 高木さんに何を?」 「それは秘密です。」
「ずるーーーーい。 おっさんたちだけ楽しんで私たちには何も無いの?」 「お嬢様たちにはこれですわ。」
河井がニヤニヤしながら中くらいの箱を尚子に手渡した。 「けっこう重たいわね。」
「お二人でお楽しみくださいませ。」 「馬鹿に丁寧ね、、、河井君。」
「お嬢様型がお喜びになるであろう物を買ってまいりましたから。」 「お、栄田君たちも帰ってきたのか。」
「あいよ。 良かったよ お姉ちゃん。」 「やっぱりか、、、。」
「いいしょ。 こんだけきつい状況で戦ってるんだから。」 「それもそうだな。」
 しばらくして寝室に居た初枝が頓狂な声を上げた。 「ワーーーー、やられたわーーーー。」
続いて尚子の大爆笑の声が、、、。 「あの二人は何をしてるんだ?」
「お土産だよ お土産。」 「買ったのか?」
「そうそう。 二人が喜びそうなお、も、ちゃ、をね。」 「あらま、、、。」
寝室から出てきた初枝はモゴモゴさせながらトイレへ走って行った。 「あれじゃあ、言えないよなあ。」
栄田も河井を見ながらニヤニヤしている。 気持ち悪いおっさんたちだ まったく。
「高木さんは何だったの?」 栄田たちがタバコを買いに行った後、初枝が俺に聞いてきた。
「それはね、、、。」 ゴムが入ったいくつかの小さな袋と包み。
「これは何?」 尚子も不思議そうに聞いてくる。 でもさあ、ソープのお姉ちゃんの下着なんて見せられないよなあ。
困っちゃうぜ まったく。