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宣言通り、アル様は閉店の三十分くらい前になるとケーキを食べに訪ねて来てくれた。
王宮勤めという忙しい身だから多少時間は前後してしまうけれど、それでもほぼ毎日来てくれるのだから仕事ができる人なんだと思う。
フィリップ様も王宮勤めだけれど、会う約束をしたところで毎回すっぽかされていた。総務部の中でも気楽だと言われている宝物庫の管理なんだから時間には余裕があったはずだ。
それなのにすっぽかされるあたりを考えると私のことは眼中になかったんだと思い知らされる。
一方でアル様は、仕事内容を伏せてはいるけれどフィリップ様と同じで総務部で働いているようだ。というのも一度だけ腕章をつけたままやって来たことがあったのだ。
二の腕につけられた腕章は部署によってそれぞれ色が異なっている。
赤色は財務部、青色は人事部。そしてアル様がつけていたのは緑色の総務部。
私はアル様に日々の疲れをとってもらえるよう、いろんなケーキセットを用意した。毎日訪れてくれるので一週間もすればすっかり打ち解けてしまった。