沈鬱な空気を纏う国王陛下は暗い表情でアルに問いかけてくる。
アルは目を伏せて言った。
「申し訳ございません。見つかるかどうかは今の僕では何とも……」
「其方はまほろば島の魔法使いだ。大陸に来た目的は半分果たせているようなものなのだから、あれを探し出すことは容易であろう?」
「残念ながら僕の目的はまだ何も果たせていません。だからこうやって地道に依頼の調査をしているんです」
アルはそう言って横目で机の上に置かれている書類を一瞥する。アルの視線につられて国王陛下も書類を見る。そして現状を悟ると声を荒らげた。
「これでは総務部の文官と何も変わらぬではないか!」
切羽詰まっている国王陛下は一刻も早く例の物を見つけ出して欲しいようだ。状況が好転する兆しが見えず、アルに不満を漏らしてくる。
しかし、どれだけ不平不満を口にされようとアルはその要望にすぐには応えられない。
落ち着きを取り戻した国王陛下は「すまぬ」と詫びてから嘆息を漏らすと、額に手を当てた。



