言われた通りアル様に近づいて屈むと、彼が私の両頬を両手で包み込む。
そしてチュッという音と共に柔らかな唇が私の唇に触れた。
「――……えっ、ええええっ!?」
初めてのキスに私がパニックを起こしているとアル様が天使のような微笑みを浮かべる。
「別にお菓子がなくったって、シュゼット令嬢から直接癒しの魔力をもらったら関係ないよ。――君の唇はどんなお菓子よりも甘いから。これからはしっかり回復するまで毎日キスさせてもらおうかなあ」
子供の姿のアル様は純真無垢な笑みを浮かべながら不埒なことを呟いてくる。
可愛い子供姿のアル様をまた拝めるのは嬉しいけれど、いろんな意味で私の心臓は持ちそうにない。
これからは護身用に? ポケットには必ずクッキーを忍ばせておこうと、私は密かに誓ったのだった。



