甘くて優しい青春恋物語 ~一途なプレイボーイはワルい男へ方向転換?~

 やっぱりそれなりの値段は張るよね……こんなに良いソファだったら。

 なんて思っていると、ふわりと乾が隣に座った。

 これはもう慣れた。乾が近いのなんて、日常茶飯事だし。

 ……けど、これはいつまで経っても慣れない。

「杏ってファッションセンスいいよね。すっごい似合ってる、マジ可愛いんだけど。」

「……ありがと。」

 またしても、可愛げのないそっけない返事をしてしまう。

 そう、急に褒められる事には慣れない。

 昔から、褒められて育ってこなかったからだろうなぁ。

 ……お父さんもお母さんも、私のことなんかどうでもいい。

 私のことなんて、見てくれなかった。

 そのくせ二人とも似た者同士で、両方が不倫してた時は流石に泣きそうになった。

 泣かないように頑張ってきたけど、気付けばここまで難がある性格になっていて。

「乾。」

「何?」

「……乾は、ずっと傍に居てくれるよね。」

 こんな質問、重たいって呆れられる。

 自分でも無意識に、言葉が口から出てしまっていた。